五十肩とコラーゲン

骨や軟骨、腱の構成要素として有名なものに、コラーゲンがあります。このコラーゲンが減ると関節痛の一因になる、という話は、最近では一般常識となりつつあるようですね。

五十肩においても、運動制限の原因は靭帯のコラーゲンが変性することにある、と言われており、コラーゲンという成分がひとつのカギであることは、間違いないようです。

そこで、「だったらコラーゲンを補給して、五十肩の治癒を早めよう!」という考えが浮かんでくるのですが・・・。果たしてこれは、妥当なのでしょうか。

実は、コラーゲンの経口摂取の効果については、意見の違いが見られます。一般人の間だけでなく、学者や医師など専門家の間でも、議論が交わされているらしいのですね。

よく見られる意見は、わざわざコラーゲンを口から摂取する必要はない、というもの。その論拠は、「コラーゲンを食べたり飲んだりしても、体内で一旦アミノ酸に分解されてしまう」「コラーゲンは体内で合成され、どんな食品由来のアミノ酸からでも合成が可能」ということにあるようです。

ところが最近、コラーゲンを低分子化した、コラーゲンペプチドというものが取り沙汰されるようになりました。このコラーゲンペプチドでは、「アミノ酸に分解されず、そのまま吸収される。なおかつ、体内でコラーゲンの生成を促している可能性あり」とする研究結果が出ており、注目を集めつつあります。

コラーゲンの経口摂取は有効なのかどうなのか。さらなる研究が待たれるところです。

もっとも、五十肩の治療は自力でのケアが第一であり、何らかの栄養素を摂るだけで良くなろう、というのは正しい治し方とは言えません。五十肩に有効な成分の発掘は、大いに期待したいものですが、治し方の基本は忘れないようにしましょうね。