五十肩と四十肩

五十肩と四十肩。いかにも兄弟分、といった感じの字面から、この2つを「よく似ているが、別なもの」と思う方も多いことでしょう。しかしこれは、同じ症状に患者さんの年齢を当てはめて、呼び分けただけ。発症した年齢を除けば、五十肩と四十肩は全く同じものなのです。

従って、30代の人に発症すれば三十肩、70代の人ならば七十肩、と呼ぶことも出来ます。実際、最近では30代の患者さんも少なくないそうですので、今に三十肩という言葉も定着するかもしれませんね。ただ、いずれにしろ医学用語としては「肩関節周囲炎」で統一されます。

整形外科等での診断の際は、30代の患者さんなら肩関節周囲炎、40代の患者さんなら四十肩、50代以降であれば五十肩、と説明することが多いそうですが、当然その辺りは医師の裁量次第。30代の患者さんが、「五十肩です」と言い渡されることもあり得ます。

しかし呼び方はどうあれ、症状も治し方も同じなのですから、「30代なのに五十肩???」とうろたえなくて大丈夫。五十肩の治し方に従って、前向きにケアしていきましょう。

ちなみに昔は60代での発症が多く、四十肩や五十肩よりも、六十肩という呼称の方がポピュラーだったのだとか。それが現在では40〜50代が主流となり、さらには30代でもよく見られる訳ですから、若年化の傾向がうかがえますね。

このことから、「五十肩の原因は加齢による老化より、運動不足にあるのではないか」とする専門家もいらっしゃるそうです。