五十肩のケア 〜急性期・慢性期・回復期〜

五十肩の治し方。そのポイントは、症状の進行に応じて、ケアを行うことです。

五十肩は激痛に悩まされる急性期、痛みは減るが関節の動きが悪い慢性期、痛みがほぼ解消し、関節の動きが良くなってくる回復期と、3つのプロセスをたどって治癒に向かいます。各段階で、取るべき対応は違ってきます。

特に、急性期と慢性期の対応を間違えると、痛みの長期化・増大や、運動障害が完全に定着してしまうことも考えられます。中でも五十肩の急性期は夜間痛も激しく、ただでさえ苦痛の大きい時期。適切な治し方を知って、なるべくうまく乗り切りたいですね。

急性期は、安静が大原則。スリングや三角巾などで固定し、消炎鎮痛剤を内服したり、注射をしたりして、痛みを和らげます。
また五十肩の正しい治し方として、終始一貫して温めるべきという意見がよく見られますが、この点に関しては、専門家の間で見解が分かれているようです。

五十肩でも肩関節が熱っぽく、冷やして気持ち良いと感じる時は、冷やす方が良いとする向きもあります。確かに医療の常識として、「炎症の激しい時に温めるのは逆効果」と、よく言われていますよね。ただし、熱っぽさが無いようであれば、やはり温める方が良いそうです。

続いての慢性期は、リハビリ開始の時期。無理のない範囲で運動療法を行い、関節の癒着を防ぐことが大切です。またこの時期は血流改善により、炎症を抑えていくことが基本となりますので、温熱療法も併せて行います。

回復期は関節の動きを取り戻す為、しっかりと運動療法を行う必要があります。痛みもかなり和らいできますので、慢性期以上に積極的に取り組みましょう。